横笛
時は平安。平重盛に仕えた武士・斉藤時頼は、ある花見の宴で横笛の美しい舞姿に触れ恋に落ちます。二人はいつしか人目を忍ぶ仲になりますが、身分の違いから時頼の父はこれを許しません。
恋に迷う心を責め、時頼は横笛にも告げずに仏の道に入ってしまいます。
これを伝え聞いた横笛は悲嘆にくれながらも時頼を訪ね歩き、往生院にたどり着きますが、仏道修行の妨げになるからと、今は滝口入道となった時頼は、お互いが顔を合わせることを厳しく戒めて許しませんでした。
山深み思い入りぬる芝の戸の
まことの道に我れを導け
失意の横笛は、自らの指を切り、その血で芝の戸の近くにあった石に書き残します。
やがて横笛は、自らも髪を落とし、墨衣をまとう身となりますが、愛する人への想いは断ちがたく、程なくして儚く世を去るのでした。
時頼が修行した往生院は、後に廃寺となりますが、再建され「滝口寺」と名付けられました。
横笛と滝口入道の木像
(三宝寺所蔵)
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